ミニもの(旧)

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透明シリコンを使ってレジン成形用の型取りをする方法


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今回は文量が多いです。透明シリコンを使ってレジン成形用の型の作り方。なお、正確には「シリコーン」と呼ぶべきなんでしょうが、ここでは「シリコン」と表記します。

まずは、型取りをしたい原型を用意します。今回は、1mm厚のバルサ材で作ったお盆を用意しました。バルサ材にシリコン液が染み込まないように、ニスを塗ってコーティング後、念のためアクリル絵の具も塗っています。わかりやすいようにオレンジで着色しました。

透明シリコンを使ってレジン成形用の型取りをする方法

次に、原型の大きさに合わせて、型取りブロックを組み立てます。型取りブロックは非常に便利なアイテムですので、シリコンで型取りをする方は、買っておいて損はありません。

透明シリコンを使ってレジン成形用の型取りをする方法

組み立てた型取りブロックに、熱湯で柔らかくしたプラスチック粘土「おゆまる」を敷き詰め、その「おゆまる」が柔らかいうちに、原型をスキマができない程度に押し付けます。

以前は、油粘土などを敷き詰めていたのですが、型や原型に付着した粘土のクリーニングが面倒なので、「おゆまる」を使用しています。「おゆまる」も重宝するアイテムですね。

透明シリコンを使ってレジン成形用の型取りをする方法

次に、レジン注ぎ口用に、3mm丸プラ棒に、コトブキヤのMSGプラユニット「P-119 丸モールド III」の部品を付けたものを。レジンの空気抜き用に、1mm丸プラ棒を3本用意します。(この辺りは、型の形状やサイズによって、変動する要素ですが…。今回は、この4つ。別に、注ぎ口用に「P-119 丸モールド III」を買う必要はなく、独自で注ぎやすい工夫をされるとよいと思います。)

透明シリコンを使ってレジン成形用の型取りをする方法

用意したプラ棒を、以下のようにセット。接着には木工用ボンドを使用しています。

透明シリコンを使ってレジン成形用の型取りをする方法

ボンドが乾いたら、シリコンの準備を。最近では、型取りに使うシリコンは、ボークスの造形村シリーズの「透明シリコン」を愛用しています。

透明シリコンの利点は、なんといっても透明であること。レジンを流すときに、レジンの流れを見ることができるので、透明でないシリコンよりも、レジン流し失敗の確率を下げることができます。また、ミニチュア制作の場合、透明のシリコンを使って、水やソースなどの液体の表現も可能です。個人的には、強度があるのも魅力ですね。透明シリコンの弱点は、後述します。

透明シリコンを使ってレジン成形用の型取りをする方法

0.1グラム単位で計量できるデジタルスケールを用意します。デジタルスケールの上に、プラスチックの使い捨てコップを置き、風袋引きして「0.0g」に。

透明シリコンを使ってレジン成形用の型取りをする方法

透明シリコンの主剤を、コップに注ぎます。注ぐといっても、主剤は水あめのような質感なので、ヘラに巻きつけて、コップに落としていくやり方が、細かく計量できるのでオススメです。特にミニチュア制作の型取りは、少量のシリコンで大丈夫なので…。今回は、主剤を15グラム注ぎました。

透明シリコンを使ってレジン成形用の型取りをする方法

次に硬化剤を入れます。この透明シリコンの2液混合比は、主剤:10に対して、硬化剤:1の割合です。主剤を15グラム入れたので、硬化剤は1.5グラム計量します。ちなみに、硬化剤をコップに入れる際、私はストローを、下記画像のようにカットして、ストローに硬化剤を含ませて、コップに注いでいます。(長いストローの中央を、先端が斜めになるように、2等分にカットして使用。)

透明シリコンを使ってレジン成形用の型取りをする方法

主剤と硬化剤をよく混ぜます。空気が入って気泡だらけになりますが気にしません。この透明シリコンは、2液を混ぜると、約30分後くらいから硬化が始まるようです。混ぜあわせたら、大きな気泡が抜けるように、10分くらい放置しておきましょう。なお、気泡を抜くために、ドライヤーで熱風をあてるという方法もあります。この辺は、お好みで…。

透明シリコンを使ってレジン成形用の型取りをする方法

大きな気泡が抜けたら、型取りブロック内に、ゆっくりと注いでいきます。下記画像を見ての通り、細かい気泡がいっぱいですけど、気にしません。

透明シリコンの弱点を後述と書きましたが、透明シリコンの欠点は、気泡が多いことにあります。ただし、型とシリコンの間に、気泡さえなければ、型取りには何の問題はありません。

気泡を抜くために、シリコンに混ぜる「消泡剤」や、「真空脱泡」という方法があるのですが、あんまり気にしないほうが良いかもしれません。消泡剤の効果も劇的なものではなく、真空脱泡機は、恐ろしく高価なものだからです。

透明シリコンを使ってレジン成形用の型取りをする方法

シリコンの硬化には、丸1日くらい待ったほうが良いでしょう。表面を触って、硬い弾力があればOKです。

透明シリコンを使ってレジン成形用の型取りをする方法

シリコンが固まったら、型取りブロックと、土台のおゆまるを外します。この場合、気をつけるポイントは、型とシリコンを、なるべく離さないこと。シリコンと型の間にスキマができるとNGです。上からシリコンを流すときに、そのスキマからシリコンが流れてしまうので…。

透明シリコンを使ってレジン成形用の型取りをする方法

無事にブロックから外したら、シリコンの上層にリップクリームを塗ります。バリアコートなど、シリコン用の離型剤を使っても構いませんが、薬局で100円以下でも買えるメンタームスティックで充分に代用可能です。

なぜリップクリームを塗るのかと言うと、シリコンの上に、そのままシリコンを流すと、シリコン同士がくっついてしまいます。リップクリームを塗ることによって、シリコンに膜を作り、シリコン同士の接着を防ぐことができるのです。ですからリップクリームは、丹念に塗りましょう。私は、爪楊枝の先にクリームを付けて塗っています。

透明シリコンを使ってレジン成形用の型取りをする方法

リップクリームの塗付が終わったら、再度、型取りブロックを組みます。

透明シリコンを使ってレジン成形用の型取りをする方法

その上から、また透明シリコンを注入します。

透明シリコンを使ってレジン成形用の型取りをする方法

シリコンが硬化したら完成です。

透明シリコンを使ってレジン成形用の型取りをする方法

シリコンを壊さないように、ゆっくり剥がしましょう。こうしてできたシリコン型にレジンを流しこんで、複製できたものが↓こちら。

透明シリコンを使ってレジン成形用の型取りをする方法

シリコンやレジンを扱うには、ちょっと敷居が高いと感じる方も多いと思います。実際に、やってみると最初は失敗の連続で、嫌になるかもしれません。ただ、失敗を重ねていくことによって、取り扱いのノウハウを学ぶことができますし、複製自体も面白い作業だと思います。

シリコンを使った、もっと手軽な複製方法は、100円ショップのセリアで買った型取り用シリコンで複製するをご参考ください。