レジン複製・注型の方法いろいろ(代表的な4方式を解説)
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レジン複製・注型について。
レジン複製(注型)の代表的な方式をまとめたWebページが見当たらなかったので、(私の見落としの可能性は大ですが…。)ざっくりとした解説ですがまとめてみました。今回は、両面取りにおける以下の代表的な4つの方式を取り上げます。
・トップゲート方式 ・アンダーゲート方式 ・オーバーフロー方式 ・タイヤキ方式
◆ トップゲート方式
まずは「トップゲート方式」。ちょび子のミニチュアフードのちょび子さんが、ミニチュアお皿の型取り、最終局面!という記事中で行われている注型方法が、このトップゲート方式ですね。
注型口(「ゲート」とか「湯口」とも呼びます。)が型の上部にあり、上からレジンを流す方法です。レジンの流し方が悪いと気泡ができやすい点と、注型口を大きくしないといけないので、注型後の処理(ヤスリがけ)などが大変になりやすい傾向がありますが、注型作業自体はスピーディーにできるので、硬化の速いレジンなどを扱う場合には適しています。
上記のちょび子さんの場合、注型口と空気抜けの穴が兼用になっていますが、別途、空気抜けの穴を設けるパターンもあります。(透明シリコンを使ってレジン成形用の型取りをする方法で紹介した例が、まさにそのパターン。)
◆ アンダーゲート方式
注型口から流したレジンが、型の下方から流れる注型方法です。この方式が1番メジャーかもしれません。
この方法がメジャーな理由としては、複雑な形状でも、比較的キレイに型取りができる点でしょう。フィギア製作などの、細かいモールド(模様とか装飾など)がある型の複製の場合、このアンダーゲート方式が1番適しているように思います。
欠点としては、無駄になるレジンが多くなることと、注型後の処理が煩雑になること。また、シリコン型を傷めやすく、型の寿命が短くなる傾向にあるのもデメリットかもしれません。
◆ オーバーフロー方式
土台となる型に、レジンをなみなみと注いで、その上から型をかぶせる方式です。レジンをなみなみと注ぐのは、レジンの量が少ないと、気泡ができやすいので。(あふれるレジンと共に、空気も押し出すという寸法。)
うまく行くと、継ぎ目(合わせ目やパーティングラインという呼び方もあります。)の目立たないキレイな複製物ができます。型の寿命が比較的長いのもメリットです。最近、私のなかでは主流な方法で、茶碗などの器を複製する際には便利な方法でしょう。
欠点は、無駄になるレジンが多い点と、いったん気泡が混入すると、混入部位にもよりますが、気泡を取り除くのが困難な点です。(例:気泡だらけの皿|できるミニチュア教室(アメブロ版))
◆ タイヤキ方式
最後は、ちょっとオーバーフロー方式に似ていますが、タイヤキを作る要領で注型するタイヤキ方式。
2つの型にレジンを注いで、二枚貝のように合わせる方法です。言うまでもなく、この方法は手際の良さが必要です。上になる型は、レジンの量が少なくて済む方を選ぶ必要もあります。
オーバーフロー方式では複製できない型で、別途に注型口を設けることなく注型できるのが利点ですが、あまり大きなモノの複製には向いていません。
以上、代表的な4つの方式のざっくりとした紹介でした。
(この他にも方法はなくはないんですけど、個人製作だと、だいたいこの4つの方式に収斂されるのではないかと思います…。)