100円ショップのエポキシ接着剤で透明パーツを作る
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前回の「真空保存庫」で型取り用透明シリコンの簡易真空脱泡に挑戦にて、真空保存庫を用いた簡易真空脱法を紹介しました。真空保存庫を買った時から、「100均で買った2液混合のエポキシ接着剤で、キレイな透明パーツを作ることができないか?」という実験をしてみたいと考えていたのですが、その実験の過程を今回は紹介します。
結論から述べますと失敗です。気泡のないキレイな透明パーツはできませんでした。
↓以下がその過程です。
まずは、2液混合タイプのエポキシ接着剤を用意します。ダイソーの接着剤です。
別に100円ショップでなく、ホームセンター等で売っている他の2液混合タイプのエポキシ接着剤でも大丈夫ですが、100均がお手軽なので…。
ちなみに(記事執筆時点で)購入したエポキシ接着剤は、容量が12g×2の総量24g。
これ、昔は容量10g×2の総量20gだったんですよね。↓
画像では少しわかりにくいですが、同じ型番の接着剤です。円安の影響で原材料が安く調達できるようになったのでしょうか…。容量が少ない時代のほうが、品質が上で、透明度が高かったのかも…、という懸念も少々ありますが、おそらく同じ原材料でしょうから、気にしないようにします。
ところで、ミニチュア制作にて透明パーツを作る際は、クリスタルレジンを使われる方が多いでしょう。このクリスタルレジン、主に材質的には、エポキシ系樹脂から成っています。クリスタルレジンは、主剤と硬化剤を混ぜることによって、化学反応を起こし、硬化しますが、この2液混合のエポキシ接着剤も同じ原理で硬化する接着剤です。(まぁ、混合比とかの違いはありますけど…。)
接着剤愛好家の方には怒られるかもしれませんが、エポキシ接着剤は、ミニチュア制作において「なんちゃってクリスタルレジン」と密かに言ってもよいかもしれません。
さて、作業に戻りましょう。デジタルスケールで、捨てても構わない容器を使って、同量のA液・B液を測ります。容器の左にA液、右にB液など、計量時には分離させておきます。
必ず容積比(体積比)でなく重量比で計量することが、レジンの鉄則の1つです。A液とB液は、同じ容積でも比重が違うので重さが違います。
ミニチュア関連の書籍では、レジンは1滴・2滴と計量しているものがありますが、その記述をみると「よく硬化不良を起こさないなぁ。」や「よくA液・B液の消費量に差がでないなぁ。」と個人的に驚きです。
また話が脱線しましたが、作業に戻りましょう。A液・B液を手早く混ぜて、型に流します。かなりドロっと粘性が高いので、取り扱いにはご注意を。あと独特の刺激臭があるので、マスクの着用や換気は推奨です。
次に、真空保存庫に入れて減圧。3分くらい経って取り出しました。あとは硬化を待つばかり。
こうして出来上がったのが、↓これです。
見事に気泡が内在しています。うーん、不透明…。
気泡が抜けやすいように平らな形状にしたのですが、それでもこの有様です。しかも、実験時は冬で、気温も低く乾燥していたので、接着剤の硬化も従来よりも遅くなって、気泡が抜けやすい環境だったはずなのですが…。
ついでに作ったモノはこちら↓
タミヤのエナメル塗料「クリヤーグリーン」で着色した失敗作です。接着剤の分量の少なさと、型が2面で気泡の逃し方が難しかったせいで、なんとも言えない形状に。色はそこそこキレイなんですが…。
なかなかエポキシ接着剤で、キレイな透明パーツを作るのは難しいようです。ただ、硬化が速いのは大きな魅力で、炭酸飲料の表現など、気泡が気にならないモノの造形には使えそうな気がします。
あと、クリスタルレジンに、このエポキシ接着剤を混ぜて「クリスタルレジンの硬化時間を早める」という実験もしたいような、したくないような…