ニスの光沢とツヤ消しの仕組み
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アクリル素材やクリスタルレジンをヤスリがけすると、擦りガラスのように曇ってしまいます。こういった場合、クリアラッカーなどを塗付すると曇りが軽減されて、透明度が増しますが、これは一体どのような仕組みなのでしょうか?
図解すると以下のようになります。○がクリアラッカーのツブ(粒子)です。
キズの凹み部分にも、粒の揃ったクリアラッカーの粒子が入り、光の反射を良くしています。これらの働きで、素材の光沢感・透明感を高めているのです。
これは、いわゆる「つや出しニス」も同じで、図解は以下のようになります。
ニスの粒子が均一なのが、光沢ニスです。この揃った粒子が、光の反射を良くして、塗面にツヤと光沢を与えます。
そして、つや消しニスは逆です。
つや消しニスは、ニスの粒子が不揃いで、塗面がデコボコになり、これによって光が乱反射して、ツヤのない表面となります。
こういった原理なので、厚く塗ってしまうなど、何らかの原因で粒子が揃った場合は、ツヤ消しのニスを塗ったのに、なんだか光沢が出てしまうという事態になる可能性も無きにしも…。
ちなみに、光沢・ツヤを「グロス」、半光沢を「セミグロス」、ツヤなし・ツヤ消しを「フラット」または「マット」と呼びます。模型用の塗料では、ツヤなしを「フラット」と呼ぶことが多く、画材の塗料では「マット」と呼ぶことが多い印象がありますね。