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ミニチュアの液体表現を考える【PVA(ポリビニルアルコール)編】


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ミニチュアの液体表現を考える【PVA(ポリビニルアルコール)編】

表題で答えが出ているのですが…、ミニチュアの液体表現について。

ミニチュアにおいて、液体を表現する素材として最有力なのが、エポキシ樹脂やUVレジンのような透明樹脂でしょうか。今回は、エポキシ樹脂やUVレジン以外での、液体表現を考えたいと思います。

具体例として、ミニチュアの梅酒を作ってみましょう。

100円ショップのセリアにて、以下のガラス瓶を購入しました。

ミニチュアの液体表現を考える【PVA(ポリビニルアルコール)編】

このボトルを、梅酒の瓶にしたいと思います。

ミニチュアの液体表現を考える【PVA(ポリビニルアルコール)編】

梅酒っぽくするために、アルミのキャップを赤く塗りました。面倒な場合は、特に塗らなくても大丈夫でしょう。

ミニチュアの液体表現を考える【PVA(ポリビニルアルコール)編】

次に、ダイソーの緑の樹脂粘土と、黄色の樹脂粘土を混合して、梅を作りました。混合比を変えて、いくつか色合いを変化させると臨場感が出るかもしれません。粘土を丸めて、爪楊枝でくぼみを作っています。理由は後述しますが、完全乾燥後、ニスを塗ってコーティングすると完璧です。

さて、ここからが本題。100円ショップのダイソーで、以下の商品を購入しました。

ミニチュアの液体表現を考える【PVA(ポリビニルアルコール)編】

いわゆる『洗濯のり』です。

成分を見ると…。

ミニチュアの液体表現を考える【PVA(ポリビニルアルコール)編】

PVA(ポリビニルアルコール)と表記されています。

詳しい説明は省きますが、ざっくり言うと、PVA(ポリビニルアルコール)とは、常温で液体のプラスチックです。水に溶けるプラスチックとしても有名でしょうか。『ポバール』とも呼ばれます。

さらに表記を見ると…。

ミニチュアの液体表現を考える【PVA(ポリビニルアルコール)編】

「腐ったりカビが生えたりしないので清潔」とあります。水のように見えますが、PVAはプラスチックなので、一般的に言えば、プラスチックが、腐ったりカビが生えたりしないのは、当たり前と言えば当たり前ですね。

今回のような密閉容器を使うミニチュアでは、UVレジンなどを使うよりも、PVAを使う方が手軽かもしれません。

紙コップにPVAを注ぎ、アクリル絵の具で少し着色した後、ボトルに粘土製の梅を投入し、着色済みのPVAを注ぐと、ミニチュア梅酒の完成です。

ミニチュアの液体表現を考える【PVA(ポリビニルアルコール)編】

PVAの着色は、ラッカー系やエナメル系の模型塗料では、うまく混ざりませんでした。PVAは水溶性なので、水性の塗料を使うとよいでしょう。ちなみに、今回は、ホルベイン社の透明水彩絵の具のイエローで着色しています。

あと、樹脂粘土をPVAに浸すと、表面が少し荒れるといいますか、侵される感じもするので、ニスで保護するほうが無難かもしれません。

エポキシ樹脂やUVレジンでなく、PVAを使うメリットとしては…。

◆ コストが安い

今回、100円ショップで買ったPVAは、100円(税抜き)で750グラムと圧倒的な安価。

◆ 動きがある

PVAは、常温で液体です。硬化させたエポキシ樹脂やUVレジンと違い、今回の例で言えば、ボトルを振ると、液体も揺れるので、硬化させた樹脂とは違う、ユニークな表情が楽しめます。

◆ 黄変が少ない

これは、引き続き検証が必要な項目でしょうが、個人的には、エポキシ樹脂などの他の透明樹脂よりも、黄変に強い印象です。

◆ やり直しができる

硬化させて使うレジンではないので、今回のミニチュアで例えるならば、もう少し梅の数を増やして、ボリュームアップさせたいと思えば、新たに梅を投入するだけで、簡単に修正ができますね。

◆ 収縮による悪影響がない

今回、ガラス製の瓶を使用しました。エポキシレジンやUVレジンで、ガラス容器内に充填し、硬化させる場合、時間の経過とともに、レジンは収縮します。その収縮によって、ガラスにヒビが入ったり、最悪の場合、ガラスが割れる可能性も否定できません。

その点、PVAは、硬化させる訳でもありませんし、液体なので、ガラスを圧迫することもありませんから安心でしょう。