お湯でやわらかくなるねんど「イロプラ」を使って型取りをする
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お湯で柔らかくなるプラスチック粘土『イロプラ』を使って、型取り・複製をする方法。
先日、姉妹ブログにて、下記の記事を書きました。
お湯で柔らかくなり、冷えると固まるプラスチック粘土としては、消しゴムメーカーで有名なヒノデワシ社の製品『おゆまる』がよく知られていると思います。
今回、その『おゆまる』に似た、『イロプラ』という製品を100円ショップのミーツ(ワッツ)で購入しましたので、使用レポートを兼ねて、型取り・複製について詳しく解説を…。(追記:現在は、ダイソーやセリアでも取り扱っているようです。)
今回は、直径が約10mmのラインストーンを原型とし、複製に挑戦します。
お湯を使わない「おゆまる」や「イロプラ」の利用
さて、2011年に以下の記事を書きました。
『おゆまる』の使い方を解説した記事です。
この記事では文字通り、お湯を使って『おゆまる』を使用しました。しかしながら、個人的にお湯を使う場合、以下の欠点があるかと考えています。
- お湯を用意するのが面倒で準備に時間がかかる
- お湯から取り出した『おゆまる』を拭くのが面倒
- 水気が残ったまま練ると水を封入した『おゆまる』ができる
- 拭くタオルなどの繊維やホコリを巻き込みやすい
そこで、ここ数年は違う方法で加熱処理を実施中です。
以下は、100円ショップのダイソーで購入したプラ容器。
材質は、プリプロピレンで、耐熱温度を見てみると…。
華氏284度(284℉)なので、摂氏に換算すると、摂氏140度(140℃)。
この耐熱容器と、温風の出るヘアドライヤーを利用して、『イロプラ』の加熱をしたいと思います。
わかりやすく赤色のイロプラを使いましょうか。
最初は、どのくらいの分量を使って、型取りをすればよいのか悩むと思います。使う型取り材(この場合は「イロプラ」)の量は、複製・型取りしたいモノ(原型)の体積・容量の2倍ほどの体積・容量が目安です。
耐熱容器の底に、カットしたイロプラを置きます。
遠くからイロプラを押さえつけるような感覚で、温風を出力させたドライヤーで加熱しましょう。最初は、真上から風をあててください。イロプラの量が少ない場合や、横から風をあてると、イロプラが吹き飛んでしまうので…。最終的には、至近距離からの熱風で加熱します。
気温や使うイロプラの分量、ドライヤーのあて方・かけ方にもよりますが、30秒から60秒くらい熱風をあてると、かなり柔らかくなりますので、柔らかくなったら火傷に注意しながらイロプラを取り出し、原型に押し当てて型を取りましょう。(手袋を使う場合、軍手だと繊維を巻き込みやすいですから、ビニールレザーのような手袋がベストかもしれません。)
型取り作業後、しばらく放置して、型が冷えるのを待ちます。
さて、プラ容器の底を見てみると、見事に色移りしていました。『おゆまる』を使った時には、こんな現象はなかったように記憶していますが…。これは後ほど検証してみます。
ちなみに、アルコール入りのウェットティッシュで、ゴシゴシこすると、色は落ちました。
型が冷えて硬化したら、原型を取り出しましょう。これで型取りは終了。
この型に樹脂粘土などを詰めると、複製品ができます。これで量産も可能ですね。
型取りをする場合のコツ
なお、型取りをする場合、原型は動かないように固定させると、型取りの精度が上がり、作業もしやすくなります。ピンボケ画像ですみませんが、やり方を解説すると…。
カッターマットなどに、端を折り返したマスキングテープを貼ります。
その上から、両面テープを貼りましょう。
両面テープの剥離紙をはがし、その上から粘着面を上にした状態で、マスキングテープを貼り、原型を貼りつけると固定の終了です。
直接、両面テープを貼りつけてしまうと、粘着剤のあとが残るので、私はこのような方法を利用します。
ハンドメイド系のイベント出展などで、机にテーブルクロスを固定する場合なども、この方法なら、貸し出された机を汚すことなく、テーブルクロスの接着・固定が可能です。
マスキングテープは、スリーエム社のマスキングテープが1番品質が高いと思います。
余談ですが、この方法で粘土状シリコーンを使う場合、使用する粘着テープは、アクリル系の粘着剤のテープを利用ください。粘土状シリコーンの硬化阻害物質の1つにゴムがあります。したがって、ゴム系粘着剤のテープだと、シリコーンが硬化不良を起こしますので…。(スリーエム社のマスキングテープは、アクリル系粘着剤なので安心です。)
さて、次の検証にいきましょう。透明のイロプラで、UVレジン用の型取りは可能なのか?
「おゆまる」や「イロプラ」でUVレジンの型取り・複製
同じ要領で、クリアのイロプラを適量カットしました。
ドライヤーで加熱後、型取り。
しばらく冷やすと型取り終了です。できあがりは、なかなかの透明度。これでUVレジン液を注型材として複製作業をしましょう。
使用したのは、セリアのカラーUVレジン「コバルトブルー」。
結論を言えば、透明のイロプラを型にした、UVレジン液の複製は成功です。
しかしながら、硬化熱により、型の薄い部分はゆがんでしまいました。
少量のUVレジン液の発熱でも、型の薄い部分はダメージを受けるようです。
対策としては、型の厚みを増して、ボリュームアップをすることでしょうか。こうすると、UVレジン液の硬化熱を吸収できる余地ができるので、型の寿命は延びそうです。
ただし、あまり厚くすると、紫外線をさえぎることになるので、悩ましいポイントでもありますね。
他には、あらかじめ冷蔵庫などで、型を冷やしておいて使う…などでしょうか。
個人的には、透明シリコーンで型取りができる方ならば、イロプラを使って、積極的に型を作る…ということはしないと思われます。ワンオフ(1度きり)の複製物作成ならアリだと思いますけども。
「おゆまる」との違い 「イロプラ」使用の注意点
そして、最後の検証です。さきほどの型取り作業にて、色付きのイロプラの色移りが発生しました。この点を検証してみます。
100円ショップで買った「おゆまる」も用意。
おゆまるのブルーと、イロプラのブルーで比較してみましょう。
おゆまるのブルーを2cmほどに切り取り…。
容器に投入し、加熱。加熱後、めくってみると、色移りはしていません。
次に、イロプラのブルーを。
おゆまると同じように、2cmほどに切り取り、容器に投入・加熱しました。
めくってみると…、見事に色移りしていますね。
これもウェットティッシュで拭き取りましたが、イロプラは顔料の量が多いのかもしれません。
例を挙げると、仮面ライダーのフィギュアを持っていて、腰の変身ベルトを型取りしたいと思った時に、イロプラを使って、型取り作業をすると、フィギュアに色が移ってしまう可能性があります。
こういった場合、「おゆまる」を使うか、顔料の含まれていない透明(クリア)のイロプラを使うほうがよいかもしれません。
- 安価で購入できる
- 入手も容易(100円ショップで買える)
- カラー単体で購入できる(好きな色だけを買える)
…といったところが、100均にあるイロプラの大きなメリットでしょうか。ネット通販だと、「おゆまる」も単色購入が容易ですけども…。