ミニチュアの聖地!?グリコのオマケが堪能できる「江崎記念館」
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興奮と熱狂のDMH展2013から一夜明け、今回の大阪旅路の、もう1つの個人的なハイライトである「江崎記念館」に行って参りました。
※いつにも増して、写真多用の長い記事です。閲覧にご注意を!
江崎記念館とは、江崎グリコの社内にある記念館で、グリコの歴史が学べる一般開放された施設です。(※見学には、電話にて事前予約が必須。)グリコのおもちゃのおまけ86年分勢揃い、必ずどれかに見覚えがある「タイムスリップグリコ<なつかしの20世紀>」開催中の江崎記念館に行ってみました - GIGAZINEという記事を見て、「これは大阪に行くなら見ておきたい…。」と思い、事前予約して行ってきました。
大阪駅から東海道本線の列車に揺られること約2分。最寄り駅の「塚本」に到着しました。(なお、大阪-塚本間の片道料金は160円。)ここから徒歩16分ほどで、グリコの本社に着くようです。線路沿いを歩いていると、遠くにかすかに見える「グリコ」の文字が…!
本社到着後、受付を済ませ、いざ「江崎記念館」へ。
おなじみのマークの彫像。
この江崎記念館、無料にも関わらず、広報の方が案内してくれます。「まずは、創業者である江崎利一のDVDを…。」と約16分ほどもある映像を見ることに。
正直、「早くグリコのオマケを見せてくれ~!」と心で叫びましたが、いやいや、このDVDは面白い。あっという間の16分。非常に勉強になりました。下手な経営セミナー等に行くよりも、よっぽど勉強になりますよ。本当に。この映像、YouTubeにアップして欲しいぐらい。
ちなみに、日本でキャラメルと言えば、グリコと森永。共に創業者は、九州の佐賀県出身です。たぶん、これは偶然でなくて、鎖国下の江戸時代において、砂糖の積込港は、もちろん出島のある長崎のみ。海外からの輸入品の運搬用にも整備された長崎街道は、「シュガーロード」とも呼ばれ、当時の菓子文化の先端を行く地域でもありました。
» ~シュガーロードと九州菓子文化~幕末から伝わる九州の伝統的スイーツに舌鼓|九州の旅行、ツアーなら、JR東海の『旅行へ行くなら、新幹線。』 » 羊羹資料館|シュガーロード|
江崎利一さんの生家は、佐賀県の神崎。長崎街道の佐賀路宿場町は、全部で13ありますが、「神埼宿」もその1つ。
幼少の頃より、菓子に関する造詣が深かったとしても、何ら不思議ではない土地に生まれてらっしゃいますね。この辺の推察や、江崎利一さんについての感想は、別の機会に譲るとして、以下にミニチュア作りの参考になりそうな、江崎記念館の魅力を紹介していきましょう。
◆ 数々のパッケージ群
江崎記念館は、新旧問わず、様々な製品パッケージが置いてあります。古いものを中心に、いくつかピックアップしてみました。
ところどころ、私(主に履いている靴)が写り込んでいますが、その辺りはご容赦頂けると幸いです。このような感じのレトロ調パッケージで、ミニチュアを作ってみたいですね。
たぶん、パッケージデザインなどの仕事をされている方にも、勉強や刺激になる展示ではないでしょうか。
◆ 数々のジオラマ群
江崎記念館は、随所にジオラマも展示されています。こちらも、いくつか抜粋。
↑大阪タカシマヤ寄贈のジオラマ。写真の角度からは見えませんが、あの戎橋のグリコの看板もあります。これは是非、現地で見て頂きたい。野球場がありますが、大阪スタヂアムでしょうね。
↑掬泉庵(きくせんあん)の模型。↓建立のエピソードがすごい…。
◆ 数々の金型
江崎記念館は、金型マニアにもオススメ!金型に注目してみました。
↑創業時のハート型ローラー。グリコのキャラメルは、最初はハート型だったようです。江崎利一さんの苦心の金型は、実物を見て頂きたい逸品。この辺で、金型の知識を吸収されたんでしょうね。金型に、キャラメルやチョコレートを流し込めば、お菓子が。プラスチックを注型すると、玩具ができますから。(菓子とオモチャはグリコの生命線。金型なくしてグリコの発展は、果たしてありえたのでしょうか…。)
↑2代目(?)ハート型ローラーです。↓とにかく美しい型(モールド)。
こんな完成度の高い金型が、昭和6年には存在していたなんて。(しかも菓子用!)当時の、日本の国力の高さも伺えます。
↑真空釜。注型は、空気との戦いですからね。私も真空脱泡装置が欲しい…。
3分割型とは、なかなか複雑な構造。湯口やランナーの配置も参考になります。
◆ 数々のオモチャ類
さて、いよいよメインの登場!江崎記念館の珠玉のコレクションの一部を紹介します。
ミニチュアトランプ。スケール的には、割りと大きくて実用的なサイズかも。ミニチュアカード系は、以前、百人一首を作った際に、「もう2度と作りたくない…。」と思ったのですが、またトライしてみようかなと思うくらい、とても素敵なデザインです。
豆本のようなモノも…!
野球カード的なオマケもあります。川上哲治御大や、小鶴誠さんなどのNPB(日本プロ野球)のレジェンド達が…!小鶴さんも長崎街道のある福岡県飯塚出身ですね。(飯塚もまた、お菓子の名産地。言わずと知れた銘菓「ひよ子」は、飯塚で誕生しています。参考:ひよ子 - Wikipedia。ちなみに、川上御大は熊本出身。)小鶴さんは、シーズン161打点という、未だに破られていない記録の持ち主で有名ですが、この年の成績は、打点以外も、打率.355 ホームラン50本 盗塁28という凄まじい数字。贔屓球団に、こんな選手がいたら…。まぁ、とにかく江崎記念館は、野球マニアも必見!…かも。
↑GIGAZINEさんに倣って、一部をモザイク化しています。
うーん、とても全部の紹介は無理ですね。とにかく見応えは、尋常ではないですよ。
◆ そして特別展示へ
今回の、メイン中のメイン。期間限定公開の「タイムスリップグリコ」です。(タイムスリップグリコの説明は、Wikipediaを参照ください。)
一部をクローズアップしてお届けします。
私のDMH展に出品したテレビのミニチュアも、この外観なら完売できたかもしれない…。
↑これは作りたい…!
今回の特別展示の白眉は、彩色見本の陳列。原型から注型されたモノに、彩色を施した業物(わざもの)です。(これも広義な意味では、2次原型と呼べるんですかね…?)
さすがに、海洋堂のプロのフィニッシャー(塗装師)の手にかかった彩色見本は圧巻です。ここまで塗れたら楽しいでしょうね。メタリック塗装やクリア塗装も垣間見れます。
以上、江崎記念館の紹介でした。大阪近郊にお住まいで、ミニチュア好きな方なら、絶対に行く価値はありますよ。これだけの内容量で、見学料は無料というのも驚きです。人によっては、大阪までの旅費を払ってでも見る価値はあるでしょう。
事前予約などの詳しい情報は、公式サイトをご参照下さい。
↑いろいろと楽しいコンテンツも満載です。(グリコおもちゃ検索など。)
調べてみると、他の地域でも、グリコのオマケが展示されている施設があるようです。
» グリコピア神戸 工場見学と展示施設(神戸) » わくわくファクトリー グリコピア・イースト|グリコ(埼玉)
どちらも事前予約は必須の模様。詳細は、必ず公式サイトをご確認下さい。
本当は、もっと見学したかったのですが、見に行った日は、あいにく社内の行事などがあるようで、1時間ほどしか滞在できませんでした。まぁ、江崎記念館は、もともと社員向けの施設として建てられているようなので、これは致し方ありません。むしろ1時間見れただけでも幸運でしょう。
見学時間が短かったお詫びなのか、もともと見学者に配っているものなのか、判断はつきませんが、ラッキーなことに、グリコのキャラメルを頂きました。
オマケは、「うさぎさんのわなげ」。またいつか訪れたいですね。江崎グリコさん、ありがとうございました!