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ミニチュア製作と双眼の実体顕微鏡


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ミニチュア製作と双眼の実体顕微鏡

ちょっと万人向けの内容ではないのですが、個人的にミニチュア製作で活用している道具を紹介します。双眼の実体顕微鏡です。

実体顕微鏡というのは、ざっくりと言うと低倍率の顕微鏡です。通常の顕微鏡だと、100から1000倍などの高倍率で、観察物を拡大して見ることができますが、実体顕微鏡は、だいたい10から40倍くらいの拡大率になります。(たぶん…。)

私の所有している実体顕微鏡の倍率は、20倍で固定となっています。値段の高い実体顕微鏡だと、倍率が変更できるタイプもありますね。倍率20倍の世界を体感してもらうために、接眼レンズにデジカメを近づけて、10円玉を撮影してみました。

ミニチュア製作と双眼の実体顕微鏡

10円玉の製造年がハッキリと見えます。

次に、ミニチュアを見てみましょう。パセリ【2013年度版】|できるミニチュア教室(アメブロ版)に登場したパセリです。

ミニチュア製作と双眼の実体顕微鏡

ここまで拡大して見ることが可能に。パセリの葉の部分は、乾燥後に削ったモデナを使っています。肉眼で、パセリっぽく接着するのは、難しいのですが、実体顕微鏡を使うと、当たり前ではありますが、細部まで見えるので、バランス調整がしやすくなります。

以下に、実体顕微鏡のメリット・デメリットを挙げてみましょう。

◆ メリット ・一般的に、ルーペなどよりも倍率が高く、細かい部分も見える ・1度ピントを合わせれば、レンズをのぞけば、常にピントが合っている

最初に挙げたメリットは当然として、レンズをのぞくとピントが合っているという点も見逃せません。ヘッドルーペにしろ、手で持つ拡大鏡にしろ、毎回焦点距離を合わせる作業が発生すると思いますが、実体顕微鏡であれば、最初の1回だけ焦点距離を合わせてしまえば、次回からはピントが合った状態で、いつでも作業が再開できます。

◆ デメリット ・ルーペなどよりも値段が高い ・作業域が狭く、慣れるまで作業が難しい

実体顕微鏡のデメリットの1番手は、やはり価格でしょう。それなりに値段がするものなので、なかなか導入するには、ハードルが高いかもしれません。(私の場合、楽天で約12000円ほどで購入。)

上のパセリの画像を見て頂くと、わかるかと思いますが、倍率が高い代償として、作業域の狭さも大きなデメリットでしょう。直径1cmの円の範囲内で、ピンセットや筆を動かすような感じなので、これが難しいのです。さっき「慣れるまで作業が難しい」と書きましたが、正確には「慣れても難しい」かもしれません。作業工程や道具にも、それなりの工夫が必要です。

たぶん顕微鏡を活用して、ミニチュア製作を行う人は少ないでしょう。今回の記事執筆の大きな動機として、顕微鏡使いが増えて、有用なノウハウ(「これを使うと、顕微鏡作業がやりやすい。」など)が少しでも出てきて欲しいという思いもあります。どうしても独りで作業していると、盲点ができてしまい、新しい視点で物事を見る事が難しくなるので…。

ただ、冒頭でも述べましたが、顕微鏡を使うという選択肢は、決して万人向けではないと感じています。デメリットで挙げた要素を考えると、手放しで薦めることのできるアイテムでもありません。

もし、興味があって、買ってみようというチャレンジャーな方がいらっしゃるなら、1つだけ購入のアドバイスを。直鏡筒タイプよりも、傾斜鏡筒タイプの方が、作業性は上だと思います。要するに、のぞくレンズの筒が、真っ直ぐなのか、斜めなのかの違いです。直鏡筒は、真っ直ぐなので、上からのぞきこむ形になり、長時間作業すると疲れてしまう可能性が高いでしょう。(まぁ、直鏡筒の実体顕微鏡で、作業したことがないので、断言はできませんが…。)

その点、傾斜鏡筒だと、レンズがのぞきやすいので、作業効率は高くなると思います。