ミニチュアの着色を考える【アクリル絵の具編】
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前回のミニチュアの着色を考える【パステル編】が思いの外に好評だったので、今回は、アクリル絵の具編を。
…と、言ってもアクリル絵の具なんて、ミニチュアの着色ではメジャー過ぎて、解説するまでもないかもしれません。
『粘土に混ぜて、ベースとなる色として使う』 『完成したミニチュア(乾燥した粘土)に塗って彩色する』
という黄金の2パターンに集約されるでしょうから。
しかし、このままでは読み物として面白くありません。そこで、アクリル絵の具に関して、個人的な主観に基づき、いろいろと語りたいと思います。
◆ 水彩絵の具を使う?アクリル絵の具を使う?
結論から言うと、個人的に水彩絵の具は好んで使いません。理由は簡単で、特に粘土に混ぜるときに顕著に感じるのですが、アクリル絵の具よりも発色が悪い…ように感じます。アクリル絵の具のほうが発色が良いように感じるので、水彩絵の具はあまり使いません。
ただ、透明水彩絵の具という、値段の高い絵の具がありますが、その透明水彩絵の具と、乾くと透明感のある粘土、もしくは透明粘土との組み合わせは、相性が良いとは思っています。
また、特定の水彩絵の具、具体例を出すと、銀色の水彩絵の具は、魚の体表を表現する際などに、一部使ったりしています。
まぁ、ここで水彩絵の具を詳しく語ると、【水彩絵の具編】のネタがなくなるので、ここまでに。
◆ アクリル絵の具の利点は?
アクリル絵の具は…
・乾くのが速い ・乾くと耐水性 ・色が褪せにくい
といった利点があるのも、よく用いられる理由だと考えられます。その他にも
・手に入れやすい ・色が豊富に揃っている
という利点も考えられるでしょう。100円ショップでも、店によって在庫の違いはありますが、結構アクリル絵の具の種類って、豊富なんですよね。ダイソーの大型店で見て驚いたのですが、普通のアクリル絵の具の他に、ガッシュやラメ入りなど、いろんなアクリル絵の具が存在するようです。
ちなみに、アクリルガッシュ絵の具というのは、不透明の(透明調では無い)アクリル絵の具のことを指します。まぁ、絵画と違って、ミニチュア制作では、別にガッシュかそうでないかの差を気にする必要は、そこまでないかもしれませんけども…。
◆ アクリル絵の具のオススメの色は?
参考になるかは分かりませんが、個人的に使っているアクリル絵の具の色をいくつか紹介します。
見たことがある方も多いと思いますが、100円ショップのダイソー製です。ダイソーのイエローオーカー(黄土)は、本当によく使っています。粘土に混ぜてパン生地やドーナツ生地、たい焼きなどのベースとして、エース級の働きをしてくれます。
100円ショップの絵の具なんて…、と思われる方もいらっしゃると思いますが、黄土色に関しては、心配は無用でしょう。たぶん。
黄土色の絵の具は、(他の褐色系の絵の具も含めてですが、)その名の通り、絵の具の色のベースとなる材料(顔料)に、土を使ったり、酸化鉄(平たく言うとサビ)を使ったりして、絵の具の中では原価の安い部類に入る商品だと考えられます。
そんな理由もあって、他のメーカーのものと比べても、それほど大きく品質が劣るとは考えにくいと思っています。(逆に言うと、原価の高い重金属を使った暖色系(赤とかオレンジなど)の絵の具の品質は、どうしても落ちてしまうのでは…、と感じます。)
↑画像は、リキテックスのアクリル絵の具です。
「別に褐色系なら、ダイソーでも大丈夫」的な話のあとで紹介するのも何ですが、ダイソーの「茶」は、「バーントシェンナ」という色なので、この「ローアンバー」とは色味が違います。リキテックスの「ローアンバー」は、チョコソース的な表現から、茶碗のような器の色に用いたりしています。
↑画像は、ターナーのアクリル絵の具です。
話は少し脱線しますが、混色する場合は、同一ブランド、同一メーカーの絵の具同士で行ったほうが無難です。例えば、リキテックスの絵の具とターナーの絵の具を混ぜて使うというのは、推奨されていません。
さて、色の話に戻ると、個人的に好きなターナーのジャパネスク(和)カラーシリーズの「苔(こけ)色」です。主に抹茶系のスイーツ(ドーナツとか)に用いますね。
もう1つ、ターナーの絵の具を紹介しましょう。「千歳緑(せんざいみどり)」。すごい名前です。主に緑色野菜の彩色に使います。通常のベーシックな緑の絵の具を使うよりも、リアルな感じがしています。
まぁ、色の紹介はキリがないですから、この辺で。
リキテックスやターナーなどは、絵の具の価格が、20mlで、300円前後から1000円前後(!)と幅があります。原料となる素材が高い絵の具は、それだけ高価になります。
ただ、高い絵の具が良い絵の具というわけではありませんから、自分の気に入る、好きなカラーを見つけて使えば、それでOKだと思います。
特に、ミニチュアフードは『色が命!』なので、良いと感じる色を発見した喜びも、ミニチュア作りの醍醐味ではないでしょうか。